部屋が汚い人と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか?
ほとんどの方は「だらしない」「不潔」といったキーワードを思い浮かべると思います。
しかし、単純に部屋が汚い人といっても、実は2つのタイプがいるんです。
1つめは、物をため込み、ごみ捨てを後回しにする「掃除の仕方を知らない」タイプ。
2つめは、ADHD(発達障害)により「片付けを苦手」とするタイプ。
今回はこの2タイプがあるということを念頭に置いたうえで、部屋が汚い人の特徴や対処法を考えていきましょう。
部屋が汚い人の特徴や行動5選!
まずは部屋が汚い人の特徴や行動を見ていきましょう。
物を隠しがち
部屋が汚い人は、それを良しとしているわけではありません。
片付けようとすることもあるんです。
しかし、いざ片付けようとしたときに「とりあえず見た目を」と考えてしまい、見えないところ(押し入れや扉の付いた小部屋など)に物を押し込んでしまいます。
そうすると、押し込んでしまったものが必要になった時、それらを引っ張り出すという作業が必要です。
その引っ張り出す作業の際にまた部屋が散らかってしまうのです。
悪循環と言わざるを得ませんね。
収納場所が決まらない
掃除ができる人が出来ない人に言う言葉があります。
「物に住所をつければいいんだよ」
実はこれ「掃除の仕方を知らないタイプ」には有効なんです。
きちんと順序だてて考えられるのに掃除の仕方を知らない(掃除の習慣がない)ばかりに部屋が汚くなってしまう人には、住所をつけるという考え方はわかりやすいのです。
その住所によって収納場所が決まるのですから。
しかし「ADHDで片づけが苦手」なタイプには通用しません。
なぜならそのタイプにとって「物は転勤族」だからです。
「前はあっちで使っていたけど、今はこっちで使う」ことが多いのです。
掃除が得意な人であれば、それでも住所を決めて元の場所に戻し、整頓された状態を保つことができるでしょう。
しかしADHDの人にとっては、今現在、自分が向き合っていることのほうが重要なので、整理整頓は後回しになってしまうのです。
とりあえず、が口癖
「とりあえずここに置いておこう」が多い部屋が汚い人。
買い物をしてきて「とりあえず」その辺に置いておきます。
それがテーブルの上だったり床の上だったり、とにかく色々なものが入っている袋が一つ、どーんと置かれてしまうわけです。
そうすると、わざわざそこに行って片付ける作業をする、という行為が生活に追加されます。
部屋が汚い人はその辺に物があっても気にならないため、結局使うときまでそのまま置きっぱなしになるのです。
それが繰り返されると部屋の中にどんどん物がたまっていく……という状態に。
汚いものが多いわけではないのに、部屋が汚く見えることがあるのはこのためです。
うつ症状が出る or やたらとポジティブ
真逆!?と驚かれるかもしれません。
汚い部屋で生活している「掃除の仕方を知らない」タイプは、うつ症状が出やすいです。
掃除の仕方を知らないだけで、部屋をきれいに保ちたい気持ちはあるのです。
そのため、うまく掃除が出来ない自分のふがいなさにイライラしてしまい、部屋が汚くなるにつれて打ちひしがれ、ネガティブな発想になっていくのです。
逆に「ADHDで片づけが苦手」なタイプは、部屋を片付けるという行為の優先順位がとても低いです。
そんなことよりも新しい刺激を受けたり、そこから創造したりするのが楽しくてしょうがないんですね。
ですから、部屋が散らかっていようがどうしようが、自分が楽しいことを追い求めることが最優先!
汚いからといって打ちひしがれることはなく、目の前の楽しいことを追っているので、ポジティブに生活することが出来るのです。
とはいえADHDも部屋の片づけに悩まないわけではありません。
掃除の優先順位が自分の中で上がってくると、急に掃除をし始めるという特徴もあります。
水回りの掃除が出来ない
生活の中で常に使うのはキッチンやトイレ、浴室や洗面台などの水回りです。
部屋が汚い人は常に掃除をする習慣がないので、常に使う水回りの掃除が追いつきません。
時間がたつにつれて、シンクを磨いても曇りが取れなかったり、洗面台や浴室の鏡の水垢が取れなくなったり。
また、クッキングヒーターやコンロが油汚れでギトギトしていたりもするんです。
たまにハッとして掃除をするのですが、手遅れの場合が多いのです。
部屋が汚い人は部屋が綺麗な人とどう違う?
次に、部屋が汚い人と部屋が綺麗な人との違いを見ていきましょう。
物を買う前に何を考えるか?
部屋をきれいに保てる人は、物を買うときに「どこに置いておくのか?」を考えます。
置き場所をしっかりと確保してから物を買う習慣があるのです。
そのため、買って帰ってすぐに物をしまうことが出来ます。
しかし部屋が汚い人は「今の自分に必要か?」を考えます。
とりあえず必要なら買っておいて、置き場所を後で考えるのです。
そのため、買って帰ってすぐに物をしまうことが出来ません。
前出の通り「とりあえず置いておこう」が習慣化してしまうんですね。
部屋に対する思い入れ
単純に「部屋が好きかどうか」です。
部屋が好きな人は、その部屋を綺麗に清潔に保とうとします。
自分の中で「部屋」の優先順位が高いのです。
しかし部屋が汚い人は「部屋」自体に思い入れがありません。
部屋の中に自分に必要なものがあるかどうかこそが重要です。
部屋を綺麗に保つのではなく、自分にとって必要なものが「自分の手の届く範囲に」あることが優先されるのです。
趣味の数
「掃除の仕方を知らない」タイプは、無趣味のことがあります。
特定の趣味がないため、あれこれとちょっとずつ手を付けては飽きてしまうのです。
ただでさえ掃除の仕方を知らないのに、ちょっと手を出しただけの趣味で使うものが部屋にあふれてしまうのです。
そして「ADHDで片付けが苦手」なタイプの場合は逆に、趣味の数が尋常じゃありません。
興味を持ったことにはとにかく手を付ける性格だからです。
質が悪いのは、その沢山の趣味をそれなりにモノにしてしまうことです。
変に集中力があるため、なんでもうまくやりこなしてしまうんです。
そのため、趣味に関する(場合によっては本格的な)ものが部屋にあふれかえってしまいます。
部屋がきれいな人は、趣味に飽きたら捨てるなり売るなりして処分してしまうのですが、部屋が汚い人はそれができません。
またいつか使うかも、もったいないから、そんな考えからそのまま放置してしまうんです。
部屋が汚い人への対処法
それでは、部屋が汚い人への対処法を見ていきましょう。
まずはタイプの確認を
最初にお伝えした通り、部屋が汚い人には2タイプあります。
まずはどちらのタイプかを見極めましょう。
「掃除の仕方を知らないタイプ」は、掃除の仕方をきちんと教えてあげることで改善することが多いです。
収納場所を決めてあげたり、掃除を少しずつでも習慣化したり、場所によって簡単に掃除できる方法を考えてあげたりするのが効果的です。
「ADHDで片づけが苦手なタイプ」は、そもそも掃除の優先順位が低いので、改善には時間がかかります。
このタイプは、片付けの必要がない空間を作ることが大切になってきます。
上着をしまう場所を玄関に設置したり、洗濯物を片付ける手間を無くすために、干したらそのまま横に寄せておけばいいようにしたり。
タイプによって対処は違うので、一緒くたにしてしまわないようにしましょう。
こまめに訪問 or 絶対に訪問しない
「掃除の仕方を知らないタイプ」には、こまめに訪問するのが効果的。
人が来るとわかっていれば、部屋を片付けることが出来ます。
それが長く続くと掃除が習慣化され、きれいに保つことが出来るようになります。
しかし「ADHDで片づけが苦手なタイプ」には、下手に訪問することはお勧めしません。
このタイプは人が部屋に来ることを極端に嫌います。
人が来るとなるとイライラし、大きくストレスになるのです。
掃除以外にもやるべきことはたくさんあるのに、それすら手につかない状況にまで追い込まれていきます。
このタイプには、どこかで会ったときにでも部屋の状況を確認しましょう。
「ここの部分はどうやって収納してる?」等を聞けば、口頭で答えてくれるはずです。
訪問されるのはストレスにはなりますが、口頭でなら掃除や収納に関して困ったことを相談してくれるのです。
ひとつずつ、ゆっくりと改善していってあげましょう。
まとめ
部屋が汚い人の特徴や行動は以下の五つです。
①物を隠しがち
②収納場所が決まらない
③とりあえず、が口癖
④うつ症状が出る or やたらとポジティブ
⑤水回りの掃除が出来ない
部屋が汚い人は部屋が綺麗な人との違いは以下の三つです。
①物を買う前に何を考えるか?
②部屋に対する思い入れ
③趣味の数
部屋が汚い人への対処法は以下の二つです。
①まずはタイプの確認を
②こまめに訪問 or 絶対に訪問しない
「部屋が汚い」理由はひとつではありません。
「掃除の仕方を知らないタイプ」にはひとつずつ、順番に教えていってあげましょう。
改善にはそんなに時間はかからないはずです。
「ADHDで片づけが苦手なタイプ」は、ひとつずつ教えてもなかなか改善しません。
でも、たくさんアドバイスすることで、そのうちのいくつかは心に響くのです。
タイプによって対処方法が違う「部屋が汚い人」。
うまくタイプを見極めて、きちんと付き合っていけたらいいですね!